ファーストローズ
初めてのバラ
初めてのバラというものについて、どれを当てはめていいか悩むところです。
初めて自分の意志で購入を家族にねだって庭に植えさせてもらったブルームーンなのか。それとも二代目わんこ(この子が二代目なのか三代目なのかも悩むところ…)が亡くなった時に購入した名称不明の白バラなのか。
それとも自分で剪定やら施肥やらするようになったつるイブ・ピアジェがそうなのか。
イブ以前にあったバラについては、植えっぱなしの放置プレイ、花殻なんて摘まないしローズヒップもでき放題、害虫駆除なんて意識もなかったので果たして自ら栽培したといえるのか…?
基本的にバラは丈夫なのでそれでも咲いていたし、私も子供だったり若くて他に興味を惹かれる趣味が多くて、バラは時折に「あー咲いてるな、きれいだなー」ぐらいの気持ちしか向かなかったんですね。
あこがれのバラ
一番最初にバラを意識したのがどれかと言えば、はっきり覚えています。
クイーン・エリザベス イギリスのエリザベス女王の戴冠を記念して命名された殿堂入りのピンクのバラで、子供時代あちこちの家の庭にみられました。
今でもご近所バラ庭散歩の時にいくつか見かける、強健で育てやすいという話の品種ですね。子供心にも初夏のさわやかな空にふんわり咲く、濃すぎず薄すぎないピンクの花には本当に憧れたものです。
小学生がどれほど恋焦がれたとしても、その当時我が家の庭の所有権は祖父母にあり、バラみたいな花木の手入れなど子供ができるわけもないということで、長らくその希望は叶いませんでした。
しかし、10代後半になって何かの拍子にバラ苗を買ってもらった時に、なぜブルームーンだったのか? その時園芸店なりバラ農園でそれが目に留まったからだったのか…そのあたりは覚えていないのです。
のちにブルームーンの横に叔母が自宅の庭から持ってきた黄色と赤の混じった中輪のバラを挿し木して、それも相当に大きくなりましたが、家の建て替え時にみんな抜かれて処分されてしまいました。おそらく、根が大きすぎて鉢上げもできなかったでしょう。今の私なら挿し穂を取って挿し木苗をつくるのを試みるだろうけど、その当時は思いつかなかったんですね。
墓標としてのバラ
UnderTheRoseではないけれど、飼っていた犬を亡くした時に、そのまま遺体を庭に埋めるのは無理で、でも心のよりどころとしての墓標がほしくてバラを植えたことがあります。
記憶がないけど幼少期に一匹目の犬がいて(祖父母が飼っていた)二匹目は捨てられていた子を祖父が拾ってきて、バラを植えた子は私が飼っていた三代目になる白いトイプードルでした。だからバラは白いものがほしかった。このバラは名前がわかりません。ビクトル・ヒューゴーという名前をぼんやり覚えていたんだけど、それは赤バラなんですね。どこで記憶違いをしたのか…。
木立性で高芯だったけど剣弁というよりももう少しやわらかな感じだったと思います。ヨハネパウロ2世かしらと思ったけど、作出年が2008年なので、違うかなぁと…。四代目の犬の年齢を逆算すると2000年以前に作出された品種でないと計算が合わないので。
バラは世界中の育種家、メーカーが毎年のように新品種を作り出し、何万種とあると言われています。いろいろ調べているけれど、購入したバラ農園も廃業してしまった今では、この白バラは永遠に名前がわからないかもしれません。
先にちらと触れましたが、四代目の犬もすでに亡くなりました。その子を想うよすがに植えたのが、ロイヤルサンセットです。
その年によって濃淡が違いますが、夕暮れの名が語る通りオレンジのバラです。柔らかにブラウンがかって咲くこともあり、暴れまくる枝ぶりにやんちゃだったイエローの毛色のラブラドールを思い出します。
実は、イブ・ピアジェを植えてから10年余りもやはり私はこの樹を放置気味に育てており、現在のように真面目に剪定したり誘引したり、花殻つみに薬剤散布害虫駆寒肥追肥と世話し出したのはロイヤルサンセットを迎えてからでした。
その前々年辺りまで、創作活動をしたりあちこち出かけたりもしていたのが、体力の衰えと共に活動範囲が狭まり、旅といえばドラクエ10の中だけという状態だったのが(遠出できなかったのは四代目わんこが老犬になり介護に忙しかったのもありますが)、犬がいなくなったあとの愛情とエネルギーをバラに向けた分、反動で、私は、やれ園芸店だホムセンだバラ園だバラ展示会だと、変に情熱的になっていくのでした…。